日本家屋の間取り、構造・素材、デザインの特徴|伝統的な家を再現しながら快適な家づくりをする方法

※本コラムは、広く一般的な情報提供を目的としており、弊社のサービスに限らず、多くの方にとって役立つ内容を意識して執筆しています。
詳細なご相談や専門的なアドバイスが必要な場合は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
日本家屋の「間取り、構造・素材、デザイン」には、日本の気候・文化などを反映した特徴があります。
また、日本家屋には「伝統的な家であるがゆえのメリット・デメリット」もあるため、メリットを活用し、デメリットを解消しながら、ご家族の理想のライフスタイルを実現できる家づくりが必要です。
今回は茨城県全域で伝統的な日本家屋・日本の伝統美を取り入れた住宅を建築している『ノーブルホーム粋(SUI)』が、日本家屋の伝統を再現しながら快適な家づくりをする方法を紹介します。
「日本家屋特有の美しさ」「日本の伝統文化の価値」に囲まれた暮らしを実現するために、ぜひ最後までごらんください。
目次
日本家屋の間取り、構造・素材、デザインの特徴|日本家屋特有の特徴がある理由

日本家屋の特徴は、大きく3つに分けると把握しやすくなります。
- 間取り
- 構造・素材
- デザイン
また日本家屋の特徴には、それぞれ日本特有の気候・文化などから生まれた意味があるため、あわせて紹介します。
日本家屋の間取りの特徴
伝統的な日本家屋の間取りは、一般的にご家族が地域コミュニティといつでもコミュニケーションを取れるように作成されている点が特徴です。
間取りの主な特徴 |
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・田の字型に居室を配置:複数の居室をつなげて冠婚葬祭などの際に大人数で使用できる、住宅の奥まで採光・通風を確保しやすい ・壁ではなく可動式間仕切り(障子・ふすま)で居室を仕切る:冬は仕切り、夏は開放することで効率よく室内環境を調整 ・室内・屋外の中間のような空間(土間・縁側)がある:地域コミュニティとゆるやかにつながる |
伝統的な日本家屋の間取りを現代の住宅に取り入れて快適に暮らすために、以下2点を意識することをおすすめします。
- パブリックスペース(LDK、玄関など):縁側などを設けて開放的な空間づくりをする
- プライベートスペース(寝室、水回りなど):パブリックスペースから室内が容易に見えないように工夫する
日本家屋の構造・素材の特徴

伝統的な日本家屋の構造・素材は、日本の気候の中で快適に暮らすために工夫されている点が特徴です。
構造・素材の主な特徴 |
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・木造建築が主流:軽量、扱いやすい、調達しやすい ・勾配のある瓦屋根:風雨に強く耐久性が高い、雨を流しやすい ・外壁に板を張る:外壁を風から守って住宅の耐久性を向上させる ・内装材に土・紙・草・石などの自然素材を使用:自然の調湿機能・保温機能 ・駆体である柱・梁を露出させている:自然の機能を活用しやすくする ・軒が深い:夏に日射熱を遮り室内環境を調整できる ・抜き抜け・天窓(高窓)がある:夏に日射熱を効率的に屋外へ逃がす ・玄関と居室の間に段差を設ける:地面からの湿気を遮る、床下の風通しを良くすることで夏涼しい ・開口部が大きい:冬に日射熱・夏に自然の風を室内に効率よく取り込む |
伝統的な日本家屋は、1年を通して気候が大きく変動する日本で、自然光・自然風をフル活用できるように工夫されています。
現代の住宅は住宅設備の機能で快適性を調整できるため、住宅設備の機能・自然素材をバランスよく組み合わせて家づくりをすることで、伝統的な日本家屋の雰囲気を感じながら快適に暮らせます。
日本家屋のデザインの特徴

伝統的な日本家屋の間取り・構造などを現代の住宅に取り入れることで自然に「日本家屋らしいデザイン」が完成するほか、以下のような伝統的な日本の造形美を加えることも可能です。
- 枯山水の庭
- 和室の書院
- 数寄屋造り
- 雪見障子
- 格子戸
- 武家屋敷風の門
- 借景窓
- 欄間 など
伝統的な日本家屋の特徴は、すべて日本家屋特有の美しさを生み出す要素ではありますが、現代の住宅にそのまま取り入れると暮らしの快適性を確保できない場合もあります。
次に伝統的な日本家屋のメリット・デメリットを踏まえたうえで、日本家屋特有の美しさを再現する家づくりの方法を紹介するので、ぜひ参考にしてください。
伝統的な日本家屋を再現しながら快適な家づくりをする方法

以下の住宅性能を意識することで、日本家屋の特徴を再現しながら快適に暮らせる家づくりが可能です。
- 断熱性
- 省エネ性
- 耐震性
- 防犯性
- メンテナンス性
- バリアフリー性
断熱性
「断熱性」とは以下2つをかけ合わせた性能のことで、断熱性の高い家は1年を通して快適な室内環境を整えやすく、光熱費削減も期待できます。
- 冬に室内の暖かい空気を外に逃さない
- 夏に日射熱を遮って快適な室内温度を保ちやすい
伝統的な日本家屋は「冬に室内環境を整える性能が低い」というデメリットがあるため、断熱性を意識せずに日本家屋の特徴を取り入れた家づくりをすると、「底冷えする」「暖房があっても室内が温まりにくい」といった住環境になるケースがあります。
ぜひ標準仕様※で高い断熱性能を提供している施工業者を選び、1年を通して室内温度が変化しづらく、冷暖房効率の良い家づくりを目指してください。
※「標準仕様」とは、施工業者が定めている基本的な仕様のことです。
茨城県で断熱性能の高い家をご希望の方は、ノーブルホーム粋(SUI)へお問い合わせください。
ノーブルホーム粋(SUI)は、建築基準法上の省エネ基準を大きく上回る断熱性能を標準仕様で提供しています。
省エネ性

省エネ性とは、「創エネルギー(太陽光発電など)」を取り入れながら一次エネルギーを効率的に使用できる性能のことです。
伝統的な日本家屋の特徴を取り入れた家づくりは「木材などの自然素材が持つ機能をフル活用する家づくり」でもありますが、自然素材が持つ機能だけで1年を通して十分に快適に暮らせるかというと、限界があります。
そのため、「木材を中心とした自然素材」「省エネ性能の高い住宅設備」をかけ合わせて、一次エネルギー消費量を最小限にできる家づくりを目指しましょう。
自然素材の機能例 | 省エネ性能の高い住宅設備例 |
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・調湿機能 ・保温機能 ・熱伝導率が低い(室内が外気温の影響を受けづらい) など | ・高効率給湯器 ・熱交換換気システム ・エアコン など |
耐震性
耐震性とは大地震発生時に簡単に破損・倒壊・崩壊せず、避難の時間を十分に確保できる性能のことです。
高い耐震性は「基礎、柱・梁、壁、住宅の重量」などの複雑な要素をかけ合わせて実現する必要があります。
特に日本家屋の「間口が大きい」「壁が少ない」「吹き抜けがある」といった特徴を家づくりに取り入れる際には、「耐震性確保に影響しないか」を施工業者へ確認しながら家づくりのプランを組み立てましょう。
防犯性

伝統的な日本家屋は開放的な空間があることが特徴で、訪問者に対してもオープンなつくりですよね。
伝統的な日本家屋の特徴を再現しながら防犯性を確保するために以下のような工夫ができるため、参考にしてください。
- 中庭を設けて、敷地外から見えない屋外空間づくりをする
- 敷地外から室内の様子を確認しやすい窓に格子を設置し、ゆるやかに目隠しをする
- 外構に植栽をして、敷地外から室内へ向かう視線をさえぎる
- 高窓・地窓など、採光・通風を確保しながら、敷地外から容易に室内の様子を確認できない窓を設置する
こちらの記事で、地窓の設置事例などを確認できます。
〈関連ページ〉地窓の魅力とデメリット、後悔しない選び方|玄関などの設置事例、目隠しアイデア・防犯対など解説
メンテナンス性
伝統的な日本家屋に多用されている自然素材は経年変化していくものなので、メンテナンスをしても新築時の見た目を保つことはできません。
【例】
- 板張りの壁:色が変化する、傷がつくなど
- 漆喰:色が変化する、欠け、ひび割れ、はがれなど
一方で現代の建材は、拭き掃除などの簡単なメンテナンスで新築時の見た目を保ちやすい点が特徴です。
自然素材の経年変化を「味わい」と捉える場合は問題ありませんが、経年変化に「劣化」を感じる場合には、現代の建材を取り入れながら家づくりをすることをおすすめします。
バリアフリー性

伝統的な日本家屋には、以下のような事情から多くの段差があります。
【伝統的な日本家屋に多くの段差がある主な理由】
- 地面からの湿気の影響を受けづらくするため、地面と床の間に空間をつくる(玄関と居室の間に段差が生まれる)
- 畳の居室・板間に段差が生まれる(「畳の厚み=段差」となる)
- 間口が大きいため、屋外の砂・ゴミが室内に容易に吹き込まないように段差をつくる など
そのため、設計段階で施工業者へ「バリアフリー性の高い家づくり」を明確に要望して、家づくりのプランを組み立てることをおすすめします。
段差のほかにも、「軽くて省スペースで使用できる引き戸を多用する」「滑りにくい床材を選ぶ」などを実施して、バリアフリー性を高めてください。
伝統的な日本家屋の特徴を取り入れながら、快適な家づくりをする方法を紹介してきました。
日本家屋を家づくりのモデルにする場合は雰囲気・デザインなどを中心にイメージしがちですが、「日本家屋の特徴が住宅性能の面でデメリットにならないか」という視点も持ちながら、家づくりのプランを組み立てていただけると幸いです。
茨城県で快適で美しい日本家屋をご希望の方は、ノーブルホーム粋(SUI)へお問い合わせください。
ご家族のライフスタイルを丁寧に伺い、理想の快適性・デザイン性を持つ住宅を建築いたします。
伝統的な日本家屋の特徴を取り入れた家づくりの費用を調整するポイント

伝統的な日本家屋の特徴などを確認してきましたが、ここで「伝統的な日本家屋の特徴を取り入れた家づくりをしたいけど、高額なのでは?」と不安を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
現代の住宅の標準仕様は、日本家屋の特徴を簡素化したうえで「西洋の家づくりの特徴」も取り入れているのが一般的です。
そのため、標準仕様とかけ離れた仕様の日本家屋を希望すると、高額な追加費用が発生する場合があります。
追加費用を抑えて伝統的な日本家屋の特徴を再現した家づくりをする主なポイントは、以下のとおりです。
- 日本家屋の施工実績が豊富な施工業者を選ぶ
- 施工業者の標準仕様の範囲で、どの程度希望を叶えられるかを確認する
- 優先して取り入れたい日本家屋の特徴を決め(外観・和室など)、ほかの部分は費用を調整しながらプランを組み立てる など
ご家族のライフスタイルによっては、「伝統的な日本家屋の特徴」「西洋風の住宅の特徴」を組み合わせることでより高い快適性を実現できるケースがあるため、柔軟な発想で家づくりを楽しんでいただけると幸いです。
日本家屋の外観、内装(インテリアコーディネート)、間取り事例

最後に、ノーブルホーム粋(SUI)が実際に建築した日本家屋の事例を紹介します。
「伝統的な日本家屋」「西洋の住宅の要素も取り入れた和モダン」など、さまざまなデザインが可能なので、ぜひごらんください。
日本家屋の外観事例
はじめに、日本家屋の外観事例を紹介します。
日本家屋
こちらは、日本家屋の造形美を詰め込んだ屋根が特徴的な住宅です。
「瓦の入母屋屋根」「銅板を施した下屋」「鬼瓦」などの丁寧な造作から、重厚な印象を受けますね。

〈関連ページ〉銅板屋根が美しい和の邸宅
古民家風
こちらは、古民家のデザインを再現した日本家屋の外観事例です。
大きな屋根をかけた玄関ポーチのデザインからオープンな印象を受けますが、敷地外から室内の様子を容易にのぞけないように窓に格子を設置し、間取りも工夫しています。

〈関連ページ〉築0年の古民家
こちらの記事で、古民家風の住宅を新築する方法を確認できます。
〈関連ページ〉新築の古民家風住宅を紹介|外観・内装の施工例、費用が高くなるポイント、ハウスメーカーの選び方も解説
和モダン
こちらは黒をベースとしたモダンな外観に、格子・下屋などを組み合わせた和モダンの外観事例です。
通りに面した外壁に大きな窓を設置せず、防犯性を高めている点も特徴です。

〈関連ページ〉環を描く和の家
こちらの記事で、カーテンなしで過ごせる外から見えない家の事例を紹介しています。
〈関連ページ〉外から見えない家・庭の外観事例(平屋・2階建て)|カーテンなしで外からの視線を遮る方法、注意点を解説
日本家屋の内装(インテリアコーディネート)事例
次に、日本家屋の内装(インテリアコーディネート)事例も確認しましょう。
日本家屋
こちらは、真壁造り(読:しんかべづくり、柱を露出させて内装を仕上げる工法)の和室事例です。
天窓仕様の天井・間接照明などによって、明るく広がりのある空間が完成しました。

〈関連ページ〉粋 -sui つくば展示場
古民家風
こちらは、古民家の内装を忠実に再現した日本家屋の内装事例です。
木材に経年変化したようなイメージの濃い色の塗装を施し、細部まで古民家特有の温かみを感じるデザインを再現しました。

〈関連ページ〉築0年の古民家
和モダン
こちらは、「柔らかな和の造作」「シャープでモダンなデザイン」をかけ合わせた内装事例です。
「書院造りを連想させるダイニングの飾り棚」「飾り天井と柱の直線的なデザイン」のコントラストが美しく、洗練された空間となりました。

〈関連ページ〉和の家
間取り事例
こちらは、延床面積約45坪の平屋の間取り事例です。
広い室内土間がある伝統的な日本家屋のような間取りで、「大人数が集えるLDKなどのパブリックスペース」「廊下を隔てた場所に配置したプライベートな居室」を明確に分けている点が特徴です。

ノーブルホーム粋(SUI)には、今回紹介しきれなかった事例がまだたくさんあります。ぜひごらんください。
まとめ
伝統的な日本家屋の特徴、日本家屋の特徴を取り入れながら快適な家づくりをする方法などを紹介してきました。
伝統的な日本家屋にはメリット・デメリットがあるため、現代の建材・住宅設備・家づくりの方法などをかけ合わせて、ご家族のライフスタイルに合うプランを組み立てることが大切です。
日本家屋特有の美しさ・日本の伝統文化に囲まれた暮らしを実現するために、今回紹介した情報を活用していただけると幸いです。