和風住宅におけるエクステリアと
昔懐かしい和の趣を大切にする、和風住宅の人気が高まっています。おしゃれな和風住宅を建てるためには、インテリアとエクステリア両方へのこだわりが重要です。
この記事では、エクステリアの定義と和風住宅におけるエクステリアのポイントについて解説します。あわせてエクステリアにこだわった和風住宅の施工事例も3つ紹介します。和風住宅ならではのセンスと威厳を兼ね備えた家を建てたい方は、この記事で紹介するポイントを参考にしてください。
目次
「エクステリア」の意味は?おしゃれな和風住宅のポイント
エクステリアとは、一言でいうなら建物の外観(空間・環境)です。家具や家の中の装飾を指す「インテリア」とは対を成す概念と言えます。なお、エクステリアは「外構」と混同されがちですが、外構は建物の玄関や塀といった構造物を指す言葉なので、厳密に言えば別物です。
住宅の第一印象は、エクステリアの完成度によって大きく左右されます。おしゃれな和風住宅を建てるなら、エクステリアの細部まで設計にこだわりましょう。
まずは、和風住宅の設計にとりいれたいエクステリアのポイントを以下に列挙します。
・センスのいい玄関アプローチ
・朝と夜で家の印象を変える照明
・和風住宅の格式を上げるような門扉
それぞれ、以下で順番に解説します。
センスのいい玄関アプローチ
「玄関は家の顔」という言葉があります。玄関は、すべての来訪者が必ず目にする場所です。家の内装を見ることのない来訪者からすれば、玄関から受ける印象がその家のすべてだと言っても過言ではありません。どれほど内装や家具にこだわっても、玄関まわりのエクステリアがなおざりでは、和風住宅の魅力が半減してしまいます。
おしゃれな和風住宅には、ハイセンスな玄関アプローチが不可欠です。デザイン、素材、ベースとなる色調、外壁とのコントラストなど、一つひとつ念入りにイメージを描いて、ベストな組み合わせを決めてはいかがでしょうか。
朝と夜で家の印象を変える照明
おしゃれな和風住宅のエクステリアを実現したいなら、照明にこだわりましょう。照明次第で、住宅の雰囲気はがらりと変わります。特に、和風住宅のシンボルツリーを照らし出す照明は家全体の趣を決定づける重要な要素です。シンボルツリーの下から木全体を浮かび上がらせるように光をあてることで、芸術的かつ幻想的な和の佇まいを演出できます。
また、和風住宅に、あえて洋風の照明をあしらうというのもおすすめです。洋風の照明を効果的に使うことでギャップが生まれ、夜の景趣にひねりのきいた面白味を加えることができます。
和風住宅の格式を上げるような門扉
和風住宅の風格や気品を引き立たせたいなら、門扉に着目しましょう。古くから、門扉は防犯だけでなく家の格式を示す役割も担ってきました。昔ながらの和風門には、ブロック塀では表しがたい趣と格式があります。
とはいえ、近年では「和モダン」という様式も人気があり、和のテイストに近代的なデザインを取り入れた、準和風とも言うべきエクステリアのスタイルも普及してきています。
和風住宅でおしゃれなエクステリアの施工事例3選
ここでは、おしゃれなエクステリアの和風住宅の施工事例を3つ紹介します。
日本伝統の照明が映える家
日本の伝統的なテイストを随所にとりいれた、新しくも懐かしい「温故知新」を重んじる和風住宅です。「有明行灯」を思わせるライトが、玄関アプローチを暖かな光に満ちた和の空間に仕立て上げています。
和風建築よりも洋風建築の方が利便性が高いと考えている人は多いかもしれません。しかし、和風建築には洋風建築では出せない温かみや落ち着きがあります。
こちらの家は、洋風建築の長所を活かしながら和の趣を前面に押し出すことで、非の打ち所がない和洋折衷を実現しています。また、着目すべきはその色づかいです。日本の伝統色である紅色や紫色が壁紙などに取り入れられており、特別な風情を感じさせます。
おもてなしの家
大切な人への「おもてなし」の心を、エクステリアとインテリアの隅々まで反映させた和風住宅です。風格ある化粧屋根と重厚に輝く黒御影石敷きの玄関は、日本で古くから大切にされてきた「わび・さび」の文化と現代建築との調和を感じさせます。
大きな窓に囲まれた明るい中庭に植えられているのは、風流を体現するかのような見事な松の木です。昼の景趣の素晴らしさは言わずもがな、橙色の薄明りで松の影形がぼんやりと照らし出された夜の中庭には、日本建築の粋が極まっています。
訪れた人はきっと、和のエクステリアと和洋折衷のインテリアとの見事なまでの親和性に舌を巻くことでしょう。
数寄屋門のある平屋
こちらは、格式と風情を感じさせる和のエクステリアを活かした平屋建ての住宅です。特筆すべきは、寺社などの日本建築にも用いられる「数寄屋門」の見事さです。化粧垂木でできた格子戸の繊細でありながら凛とした佇まいはこの上なく美しく、暮らす人の品格を感じさせます。
数寄屋門と同じ化粧垂木を屋根の裏側にも使用することで、家全体にこのうえない一体感が生まれている点も見どころのひとつです。細部までこだわった造りは、見れば見るほどに「日本の木造建築とは、これほどまでに美しかったのか」とあらためて気づかせてくれます。
あらゆる分野で新しいものが矢継ぎ早に生み出される時代だからこそ、かえって古来からの伝統や文化の「不変性」がありがたく、貴く感じられるものです。意匠をこらした和風住宅は、世俗的な喧騒から住む人を護り、穏やかな日常をもたらしてくれます。
まとめ
コンパクトで機能的なモダン住宅が増えている中では、和風住宅の存在感は一層際立ちます。エクステリアは、和風住宅の格式や気品を高めるための重要な要素です。玄関アプローチ、照明、門扉のデザインの隅々まで気を配って設計することで、風情あるおしゃれな和風住宅になります。
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