「車3台〜4台の駐車場には何坪必要か」並列などレイアウト別に紹介|30坪〜の土地で実現可能な間取りも解説

※本コラムは、広く一般的な情報提供を目的としており、弊社のサービスに限らず、多くの方にとって役立つ内容を意識して執筆しています。
詳細なご相談や専門的なアドバイスが必要な場合は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
「車3台〜4台の駐車場には何坪必要か」を検討する際には、車のサイズ・駐車場のレイアウトなどに応じて必要なスペースを把握しておく必要があります。
また、住宅を建てる場合には間取りも駐車スペースに影響するため、何坪を目安にして土地探しをするべきかも確認したいですよね。
そこで今回は茨城県全域で、多くのご家族の家づくりをサポートしてきた『ノーブルホーム粋(SUI)』が、車3台〜4台の駐車場づくりに必要な情報を、わかりやすくお伝えします。
必要なスペースを確保して利便性の高い駐車場づくりをするために、ぜひ最後までごらんください。
車3台〜4台の駐車場には何坪必要か

はじめに、「車3台〜4台の駐車場には何坪必要か」を紹介します。
車のサイズごとに必要な面積が違うため、ぜひご確認ください。
【車のサイズ別】3台〜4台の駐車場には何坪必要か
駐車場の面積を検討する際には、駐車場法をもとに定められている『駐車場設計・施行方針』が参考になります。
『駐車場設計・施行方針』には、車のサイズ別に以下のスペース以上を確保する旨が記載されています。
※スペースを坪・畳・m(並列駐車する場合の幅員×長さ)それぞれの単位でお知らせします。
サイズ | 1台 | 3台 | 4台 |
---|---|---|---|
軽 | 約2.17坪 (約4.34畳) (3.6m×2.0m) | 約6.51坪 (約13.02畳) (3.6m×6.0m) | 約8.68坪 (約17.36畳) (3.6m×8.0m) |
小型 | 約3.47坪 (約6.94畳) (5.0m×2.3m) | 約10.41坪 (約20.82畳) (5.0m×6.9m) | 約13.88坪 (約20.82畳) (5.0m×9.2m) |
普通 | 約4.52坪 (約9.04畳) (6.0m×2.5m) | 約13.56坪 (約27.12畳) (6.0m×7.5m) | 約18.08坪 (約36.16畳) (6.0m×10m) |
〈参考〉国土交通省ウェブサイト『駐車場設計・施工指針について』をもとに、ノーブルホーム粋(SUI)が計算(小数点第3位以下切り上げ)
また、コンビニ等の商業施設の駐車場は、普通車の駐車を想定して1台あたり約4.52坪(6.0m×2.5m)ほどを確保しているのが一般的です。
駐車場には通路の確保も必要

駐車場の主なレイアウトにはさまざまなパターンがあるので、レイアウトに応じて通路の確保も検討しましょう。
【駐車場のレイアウト例】
- 並列3台or4台
- 縦列3台or4台
- 縦列2台+縦列2台
- 並列数台+縦列数台
- 中央に切りかえしスペースを設け、向かい合わせに駐車 など
※中央に切りかえしスペースを設ける場合に必要な面積を、のちほど「敷地内に車を切りかえすスペースを設ける場合に何坪必要か」で紹介します。
通路を確保する際には、以下の幅員を目安にしてください。
- 徒歩で1人が歩く:約90cm
- 自転車を押して歩く:約1.5m
- 徒歩で2人がすれ違う:約1.8m
「車3台〜4台の駐車場は何坪必要か」を紹介してきましたが、住宅を建てて駐車場を確保する場合には、「建ぺい率」等の建築制限を考慮しながら十分な間取りを確保する必要もありますよね。
そこで次に、「車3台〜4台の駐車場をつくる場合に実現可能な間取り」を、土地面積ごとに想定して紹介します。
30坪〜の土地に車3台〜4台の駐車場をつくる場合に実現可能な間取り一覧

土地には、1筆ごとに建物を建築できる面積の制限があります。
そのため、住宅を建てて車3台〜4台分の駐車場を設ける場合には、はじめに「面積の制限内で希望の間取りを実現できるか」を確認してから土地の使い方を調整する必要があります。
まずは、建物を建築する際の面積の制限「建ぺい率」「容積率」の内容を確認しましょう。
間取りは「建ぺい率」「容積率」を確認してから作成
「建ぺい率」とは「土地面積に対する建築面積の割合(上限)」のことで、「建築面積=1階の面積」となるのが一般的です。
「容積率」とは「土地面積に対する延床面積の割合」のことで、延床面積とは建物の総床面積のことです。
(例)50坪の土地 建ぺい率60%・容積率200%の場合 | |
---|---|
建築面積の上限 (=一般的に1階の面積) | 土地面積50坪×建ぺい率60% =建築面積30坪 |
延床面積の上限 | 土地面積50坪×容積率200% =延床面積100坪 ↓ 一般的に「1階の床面積30坪+2階以上の床面積合計70坪」の住宅を建てられる |
駐車場などの外構面積の上限 | 土地面積50坪-建築面積30坪 =駐車場などの外構面積20坪 |
※20坪の中に十分な幅員・長さがある場合は車3台〜4台を駐車できる可能性がありますが、実際に駐車できる台数は、土地の状況・駐車場のレイアウトなどによって変動します。
「建ぺい率」は30〜80%、「容積率」は50〜1300%の範囲で定められているため、住宅を建てる土地の「建ぺい率」「容積率」を確認してみてください。
【平屋】30坪〜の土地に車3台〜4台を駐車する場合に実現可能な間取り

上記で使用した条件「建ぺい率60%・容積率200%」の土地に平屋を建築する場合に、実現可能な間取りを想定して紹介します。
土地面積 | |
---|---|
建築面積上限※1 | 間取り想定 |
駐車場の上限面積 | 普通車の台数※2 |
30坪 | |
建築面積:18坪 | コンパクトな2LDK |
駐車場面積:12坪 | 〜2台 |
40坪 | |
建築面積:24坪 | コンパクトな3LDK |
駐車場面積:16坪 | 〜3台 |
50坪 | |
建築面積:30坪 | ・3LDK ・コンパクトな4LDK |
駐車場面積:20坪 | 〜4台 |
60坪 | |
建築面積:36坪 | 4LDK〜 |
駐車場面積:24坪 | 〜5台 |
70坪 | |
建築面積:42坪 | 4LDK〜 |
駐車場面積:28坪 | 〜6台 |
※1 建築面積上限:建物の建築時には「建ぺい率」「容積率以外」の制限もあり、土地の状況によっては建築面積の上限まで建物を建てられないケースもあります。
※2 普通車の台数:「駐車場の上限面積」「車1台のために必要なスペース」のみを考慮した台数のため、実際に駐車できる台数は、土地の状況・駐車場のレイアウトなどによって変動します。
【2階建て以上】30坪〜の土地に車3台〜4台を駐車する場合に実現可能な間取り

建ぺい率60%・容積率200%の土地に2階建て以上の住宅を建築する場合に屋外に駐車可能な台数は、平屋の場合と同じです。
ただし空間を縦に広げて住宅を建築できるため、間取り・駐車場づくりの選択肢が広がります。
【例】
- 建築面積18坪の総2階建て→延床面積を36坪確保できるため、「4LDK〜の間取り+屋外駐車場〜2台」が可能
- 建築面積18坪、1階がビルトインガレージの総3階建て→「4KDK〜の間取り+屋外・屋内駐車場4台確保」が可能 など
茨城県でマイホームを検討中の方は、ノーブルホーム粋(SUI)へお問い合わせください。
ご要望を伺い、土地探しの段階からご家族をサポートいたします。
車3台〜4台の駐車場づくり5つの注意点

最後に、ご家族にとって使い勝手が良く、費用対効果の高い駐車場をつくるために、前もって確認いただきたい注意点も紹介します。
- 駐車場の種類に応じて使い勝手の良い設計が必要
- 「敷地内駐車場」or「月極駐車場」の費用を比較
- 特殊な事情がある土地では工夫が必要|変形地、浸水危険区域など
- 周辺にお住まいの方にも配慮した駐車場づくりが必要
- 敷地内に車の切りかえしスペースを設ける場合に必要なスペースも確認
駐車場の種類に応じて使い勝手の良い設計が必要
駐車場の主な種類は以下のとおりで、土地の状況・ご家族のライフスタイルに合う駐車場を選ぶ必要があります。
- オープンな駐車場
- カーポートを設置した駐車場
- ガレージ
- 立体駐車場
駐車場の種類ごとのメリット・デメリットを紹介するので、参考にしてください。
オープンな駐車場
「オープンな駐車場」とは屋根・囲いなどのない駐車場のことで、主なメリット・デメリットは、以下のとおりです。
【メリット】
- 駐車場を設ける費用を抑えられる
- 駐車台数を厳密に決める必要がなく、駐車場のスペースを自由に使用できる
【デメリット】
- 悪天候の際には、車の乗降にストレスを感じる
- 防犯面の心配がある
オープンな駐車場は、天候に使い勝手を左右されます。
そのため「地面をアスファルト舗装する」などで、なるべく使いやすく整備しましょう。
植栽などを活用して適度な目隠しを設け、防犯を考慮した設計にすることをおすすめします。
カーポートを設置した駐車場

カーポートを設置した駐車場の主なメリット・デメリットは、以下のとおりです。
【メリット】
- 雨・雪から車を保護できる
- 屋根があるので、悪天候でも乗降しやすい
- ガレージなどと比較して費用を抑えられる
- 車3台〜4台分のカーポートはスペースが広いため、雨の日に外でDIY作業をする・お子さまの遊び場になるなど、多用途に活用できる
【デメリット】
- 駐車台数を増やしたい場合に、カーポートの柱を邪魔に感じる可能性がある
- カーポートの屋根から雨水が落ちるため、隣家への配慮・排水計画が必要で、駐車場の位置によっては思い通りのスペースを確保できない場合がある
- 居室前にカーポートを設置する場合、採光を遮るケースがある
カーポートは使い勝手の良い駐車場ですが、間取りとの兼ね合いによって設置位置・屋根の素材などを検討する必要があります。
そのため、間取り作成と同時にカーポート設置も計画することをおすすめします。
ガレージ

ガレージの主なメリット・デメリットは、以下のとおりです。
【メリット】
- 紫外線・雨・雪から車を守れる
- 天候に左右されずに乗降が可能
- 防犯性が高い
- 住宅外観に調和するデザインをつくりやすい
【デメリット】
- 費用が高額
- 駐車する車の台数が限られる
- 固定資産税が発生する
ガレージも使い勝手の良い駐車場ですが、費用面の負担が大きい点がネックですよね。
特に固定資産税についてはガレージがある限り毎年発生するため、固定資産税を考慮して「1〜2台分のガレージ+1〜2台分のカーポート」のような工夫も検討しましょう。
こちらの記事で、ガレージをシャッターあり・なしどちらにするかを判断する方法を確認できます。
〈関連ページ〉新築時に窓・ガレージをシャッターなし・ありどちらにするか|後悔・失敗する事例、防犯・災害対策を解説
立体駐車場

立体駐車場のメリット・デメリットは、以下のとおりです。
【メリット】
- 限られたスペースに駐車台数を増やせる
- 防犯性が高い
【デメリット】
- 初期費用・メンテナンス費用ともに高額
- 災害などの緊急時に、すぐに車を出せない
- 隣接する土地にお住まいの方の景観等に配慮が必要
都市部の狭小地では、個人の住宅でも立体駐車場を設置しているケースがあります。
限られたスペースに駐車場を確保する必要がある場合は、専門業者へ相談しながら設置を検討しましょう。
「敷地内駐車場」or「月極駐車場」の費用を比較

車3台〜4台の駐車場を確保できる土地を探していて、「土地価格が高額になる」「形状などの条件が良い土地が見つからない」とお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
その場合には、近隣の月極駐車場を利用する方法もあります。
「敷地内駐車場」or「月極駐車場」どちらを選ぶか迷ったら、まずは費用を具体的に計算してみましょう。
(例)以下の条件で、「敷地内駐車場」「月極駐車場」の費用を比較
- 坪単価50万円の土地を見つけたが、普通車2台の駐車場確保が限界
- 普通車3台の駐車場が必要
- 近隣に1万円/台の月極駐車場がある
【普通車1台(4.52坪≠5坪)の駐車場を確保するために必要な費用】
坪単価50万円×5坪=250万円
【250万円で月極駐車場を利用できる期間】
250万円÷1万円÷12ヶ月=20年10ヶ月
上記のように計算をすることで、土地購入時に普通車3台の駐車場確保が必要かどうかを具体的に検討できますよね。
(例)定年退職、お子さまの独立などをきっかけに、車が1台不要になる→必要な期間のみ1台は月極駐車場を利用する など
こちらの記事で、土地選びの際に役立つ情報を確認できます。
〈関連ページ〉建築条件付き土地の土地だけ買う方法|建築条件の外し方・外す費用、建築条件に従う場合の注意点も紹介
特殊な事情がある土地では工夫が必要|変形地、浸水危険区域など

「特殊な事情がある土地」とは以下のような土地のことで、事情に合わせて工夫が必要なケースがあります。
- 駐車場が斜面:車止め・滑り止め・排水計画が必要
- 道路より低い位置に土地がある:架台車庫にする、道路とフラットになる階をビルトインガレージにする
- 変形地:十分な間取りを確保するために、駐車場を2箇所に分散させる など
- 浸水危険区域:駐車場に勾配をつける、道路より高い位置に住宅を建てる場合はスロープを設けて駐車場を住宅と同じ位置にする など
特殊な事情がある土地は、駐車場以外にも多岐にわたる配慮をしながら住宅・外構を設計する必要があります。
駐車台数・間取りなどの希望を施工業者へ伝えたうえで、プラン提案を依頼しましょう。
茨城県でマイホームを検討中の方は、ノーブルホーム粋(SUI)へお問い合わせください。
ご家族の要望を丁寧に伺い、土地探しの段階からサポートいたします。
周辺にお住まいの方にも配慮した駐車場づくりが必要

駐車場を設ける際には、周辺にお住まいの方に以下のような配慮が必要です。
- 車のドアを開閉する際に、境界線を超えないようにする
- カーポートを設置する場合、隣地の採光を遮らないよう配慮する
- 隣地の外壁に排気ガスがかからないように、塀を設ける・植栽をするなどの工夫をする
- 入出庫時に隣地・向かいの土地に侵入しない設計にする
- 「深夜・早朝に入出庫する」「エンジン音の大きい車を使用する」などの場合は、ガレージを設けて防音対策をできるとベスト など
土地の状況に応じて、周辺にお住まいの方と良好な関係を築ける駐車場づくりをすることをおすすめします。
敷地内に車の切りかえしスペースを設ける場合に必要なスペースも確認
敷地内の道路に面していないスペースに駐車場を確保する場合は、敷地内に車の切りかえしスペースが必要ですよね。
駐車場法をもとに定められている『駐車場設計・施行方針』には、以下のとおり車路を設ける旨が記載されています。
「車路=車の切りかえしスペース」と考えることができるため、参考にしてください。
- 片側通行:幅員3.5m以上
- 対面通行:幅員5.5m以上
〈参考〉国土交通省ウェブサイト『駐車場設計・施工指針について』2.4.4車路の幅員
まとめ
「車3台〜4台の駐車場には何坪必要か」を把握したうえで、土地面積別に車3台〜4台の駐車場を確保した場合に実現可能な間取りの想定などを紹介してきました。
マイホームの敷地内に使い勝手の良い駐車場があることは、生活の満足度を左右する大切な要素です。
今回紹介した情報を参考に、土地の状況・ご家族のライフスタイルに合う駐車場を確保しながら、理想のマイホームを実現していただけると幸いです。